2021-01-08
日本医師会COVID-19有識者会議 COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利⽤推進TF |
日本医師会 COVID-19有識者会議では、実態調査に基づく適正なPCR検査の利用推進を目的とした「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォース」を設置し、調査に基づく課題の抽出と整理、課題解決のための方策と提言をまとめ、すでに中間報告として公表した(5月13日)。
緊急事態宣言の解除後の社会・経済活動の再開に伴い、6月以降には感染者の急拡大が見られる。PCR検査の利用推進に対して環境・体制の整備が進む一方、利用に関して情報や考え方が十分整理されていない。本タスクフォースは、第二・第三波における感染制御と社会経済活動の維持の両面で、PCR検査の推進が必要と考えてきた。そこで今回、PCR利用者の理解を助けるために手引きを作成した。
COVID-19感染対策におけるPCR検査は、検査目的と意義を理解したうえで、適切に利用することが重要である。
PCR検査の利用目的と意義は以下のとおりである。
PCR検査の利用は、事前確率(有病率)、集団リスク(公共的影響)、経済的影響の3つの観点から考える。
1、2は、行政検査のPCR検査の実施、3は企業・自己負担で実施が望ましい。
これらの目的と意義を考えると、継続的な精度の確保と維持のもとに、事前確率によらずにPCRの利用を拡大することが必要である。
本解説書をもとに、PCR検査の利用目的それぞれにおいて、適切な理解のもとに適正な利用が推進されることが望まれる。PCR検査体制の拡充とともに速やかな報告体制が構築されれば、PCR検査は、社会・経済活動の起動の判断と対策効果の基本評価のための指標として活用されると期待される。